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住宅ローン審査 「甘い」「緩い」は存在するか③ 破産歴があってもローンが組めるか解説します

審査が甘い。審査が緩い。

そんな観点で住宅ローンをお探しの方もいらっしゃるでしょう。

中でも、最も深刻なご相談とも言えるのが過去に重大金融事故を起こしたケース。

自己破産。

個人再生。

任意整理。

手続きの方法は違えど、いずれもその後の金融取引に重大な影響を及ぼします。

とはいえ、過去に自己破産をしたからと言って未来永劫ローンが組めないかと言うと、そんなことはありません。

我慢するときは我慢する。

すべきタイミングですべきことをやる。

そうやって行けば、ちゃんをローンが組めるようになります。

今回のブログは住宅ローン審査の第三回、「破産歴があってもローンは組めるか」

過去に自己破産のような深刻な事故を起こしたケースも含め、「異動」情報の記載がある状態。もしくは過去の延滞の記録が残っている状態。

このような、個人信用情報キズがある場合の審査について解説します。

 

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個人信用情報(個信)とは?

 

ローンやクレジットカードの利用状況などの履歴は、必ず個人信用情報機関に記録されています。

主な個人信用情報機関は

全国銀行個人信用情報センター(KSC)
株式会社シー・アイ・シー(CIC)
日本信用情報機構(JICC)

 の三つ。

 

キチンと支払った月は、支払いが滞った月は、何も利用がなかった月はのマークが載ります。

個信履歴

上の見本では、前年の6月と1月に「支払いが滞った」ことが分かります。

つまりこれが、私が「個信にキズがある」と表現した状態です。

これとは別に、重大な金融事故と判断される「異動」の記載は下記に別途記載しますが、この場合はガマンの時です。基本的に審査申し込みはNGと考えた方が良いでしょう。

「過去に事故を起こしたことがある」、「かつて延滞したかもしれない」なんて思い当たる節がある場合、最も大事なこと何らかのアクションを起こす前に必ずご自身の個人信用情報を開示して確認すること。

これに尽きる。

「たぶんそろそろ消えてるだろうな」なんていう朧げな記憶に頼らず、毎回毎回しっかりと確認しましょう。

 

個信に軽微なキズがある場合

Aの記載がある場合。

「Aマークが1コでも付いたら住宅ローンが通らないか」というと、そんな事はありません。

複数の口座をお持ちで「資金の移動を忘れてしまった!」なんていう事も考えられますから、「1コくらいのAなら大目に見てやる」という金融機関は少なくない。

逆に複数個になったら要注意!

やはりマイナスポイントとして審査に悪影響を与えることは間違いないです。

 

住宅ローンの審査全般に言えることですが、可否判断はさまざまな要素を総合的に分析した結果。

「総合的判断で・・・」という文句は、否認の際に明確な理由を示さず取ってつけたように伝えられるイメージが強いですが、それだけの口上とは言い切れません。

例えば年収借入金額勤続年数会社規模も全く同じで、同じように個信にマークが付いている二人がいるとします。

 

Aさんは2,500万円のお家を買うのに自己資金を捻出して2,000万円の借入れ。

Bさんは1,800万円の物件を買うのに諸費用も含めた2,000万円の借入れ。

 

だとしたらどうでしょう?

この場合、Aさんは融資が承認されてBさんは否決、なんてことも十分考えられます。

Aさんの場合、自己資金を確保している分「仮に返済が滞ったとしても、担保となっている土地・建物を差し押さえてしまえばカバーできる」と評価される可能性があります。

一方、担保となる土地・建物以上の借入れをするBさんの場合は、「返済が滞ったら即命取りになる」という見方をされかねません。

同じように返済が滞った履歴があったとしても、他の部分でリカバリーできる要素があるかどうか、という点が非常に重要です。

 

借金を抱えた男性



過去に重大の金融トラブルを起こした!

よく「債務整理」という言葉を聞くことがありますが、その後のローン審査に関していえば、手続きの方法によって大きく二つの種類に分かれます。

「あくまでも民民の話し合いで解決した」か、「法的な手続きを経た」か、です。

前者には「過払い金請求」「任意整理」という手段。

後者には「自己破産」「民事再生(個人再生)」が含まれます。

間に弁護士さんが入ったとか司法書士さんが入ったとか、そういったことは全く関係ありません。

あくまでも裁判所が関係したかどうか、です。

 

前者の二つの場合、次に記す【異動】の記載があるケースに該当します。

ですから、しっかりと個人信用情報を開示しながら、迷惑を掛けた会社を避けて手続きを進めていけばOK。

「過払い金請求」の場合には、そもそも異動の記載がされないことになっています。

払い過ぎた利息を取り戻しただけであれば、「支払いが滞った」というわけではないですからね。

ただし、返済途中に過払い金請求をして、借金を減額した場合は注意が必要。

消滅していない債務の過払い金請求の場合には、任意整理として扱われてしまう可能性があります。

ですから、何らかのアクションを起こす前にいちいちご自身の個人信用情報を開示しましょう。これが非常に重要です。

 

【異動】の記載があるケース

異動の記載は、

「3カ月以上支払いが滞った」

「重大な規約違反で強制解約になった」

「支払いの見込みが立たず代位弁済を受けた」

など、いずれも借主が深刻な契約違反をした状態がこれに当たります。

信用情報には【異動】と明確に記載され、この状態では住宅ローンはおろか、クレジットカードの発行や少額のローン契約すらも極めて困難になります。

俗に、「ブラックリストに載った」なんて言われる状態です。

任意整理などをした場合にも、【異動】として記載されます。

 

もちろん「この人にお金を貸してはいけないリスト」なんてものが存在する訳ではないですから、100%借りられないとは言い切れません。

でも、この状態で審査を申し込んでしまうと、それを受けた金融機関は申込人が「過去に深刻な金融事故を起こした」という事実を知ってしまいます。

いずれ時間が経って「異動」の記載が消えてしまえばローンの承認が降りる可能性のある金融機関も、ここで個信を開示したために借りられなくなってしまう。

そんなリスクが発生します。

私が「ガマンの時」と表現したのはこのためです。

 

では、これが消えるまでにどのくらいの年月が必要になるでしょう。

答えは5年。

いずれの信用情報機関も、異動情報の記載は「5年を超えない期間」と定めています。

でもこれ、「いついつ延滞したから、あと何年だな」とご自身で判断してはダメ。

しっかりと自分の個信を開示して、保存期限を確認する必要があります。

なぜなら、実際に情報が記載された日と、ご自身が認識している日が異なっている場合があるからです。

例えばクレジットカードで長期延滞をして、強制解約になった場合。

その時点で「異動」の記載が生じますが、それが起算日になるとは限りません。

その後、3年間の分割払いで債務を全て返済して解消したとしたら、その時点で「債務を弁済した事実」が記載されるからです。

つまり、異動情報が消えるのは債務の解消から5年後。事故を起こしたタイミングから数えたら、8年以上の期間が必要です。

 

また、こういった記載は個人信用情報機関が機械的に行っているのではなく、会員となっている金融機関からの情報提供で運用されています。

A社とB社、同じタイミングで事故を起こして迷惑を掛けてしまったとしても、個信上の記載が消えるタイミングまで同じとは限りません。

 

過去に事故を起こしたことがある、という場合は、何らかのアクションを起こす前にその都度ご自身の個人信用情報を開示して確認しましょう。

 

異動情報が消えたからと言って、すぐに住宅ローンの申し込みをするのはあまりお勧めできません。

なぜならこの時点では、あなたはスーパーホワイトとなっている可能性があるから。

個信の開示は、この確認の意味もあります。

最低でもクレジットカードの1枚くらいは契約して、2〜3回くらいの支払い実績が欲しいところ。

仮に携帯電話の割賦払いででも記載があればシメたもの。

過去に事故を起こした会社以外のクレジットカードを契約して、クレジットヒストリーを育てましょう。

 

スーパーホワイトクレジットヒストリーについてはこちらをご覧ください↓↓↓

osumai.shop

 

もし仮に、スーパーホワイトとなってしまっていたら・・・。

まずは携帯電話の割賦払いから始めるのがお勧めです。

①新しい携帯電話を分割払いで購入して、3カ月(できれば6カ月)ほどきっちり払う。

②そこでまた個信を開示して、この履歴が残っていることを確認。

③過去に事故を起こした会社以外のクレジットカードを申し込み。

 お勧めはネット通販系やスーパーなどの提携カードです。

 もし事故を起こす前に完済した自動車ローンなどがあれば、その信販会社のカードを申し込む手もアリ。

④カードが発行されたらしっかりと利用します。マークを付けることが目的です。

⑤また個信を開示。履歴を確認。

 最低でも3コくらいの$が付いてから、本命の住宅ローンにチャレンジしましょう。

【異動】からの回復では、これくらい慎重を期してもやり過ぎということはないです。

 

自己破産・個人再生など法的手続きをしたケース

裁判所

自己破産・民事再生などの手続きをしたことがあったら・・・



裁判所が介在する債務整理を行った場合。 

「自己破産」「民事再生(個人再生)」を行った場合がこれに該当します。

基本的には【異動】の記載があるケースと同様の順序でしっかりと事前準備を進める必要がありますが、この二つの場合には、他にも覚えておかなければならないことがあります。

 

自己破産・民事再生では、手続きの進捗の都度「官報」に記載されます。

官報とは、国が発行する新聞のこと。

自己破産では、破産手続開始と債務の免責許可の際。

民事再生では、再生手続開始、書面決議(または意見聴取)に付する旨の決定、再生計画の認可といったタイミングで、いずれも住所や氏名などが記載されます。

新聞ですから、一旦載ったら消えることはありません

「10年経ったら消える」という話を耳にすることがありますが、これは誤り。

ずっと消えません。

この官報も通常の新聞と同様に電子版がありますから、検索しようと思えば10年以上前のものでも簡単に発見できます。

では、10年というのはどこから出てきた情報でしょう?

これは、全国銀行個人信用情報センター(KSC)に官報情報が記載される期間が10年だから。

「○年○月○日 破産手続き開始決定」

といった官報に記載された情報は、そのままKSCの信用情報にも記載されるんです。

この情報の保存期間が10年。

官報そのものから情報が消えるのではなく、KSCがそれを転記している期間が10年ということです。

自己破産では免責決定、民事再生では再生計画の認可。

これが法的な債務整理手続きを経た場合に官報に記載される最後のタイミング。

信用情報機関が保存するネガティブ情報の中で、最後まで残る情報がこちらです。

 

住宅ローンのような大きな借入の審査では、基本的には個信上のネガティブ情報が全て消えた状態で申し込むのが望ましいです。

でも、自己破産や民事再生の手続きを経た場合、異動情報が消えると共にスーパーホワイトになる可能性が高い。

KSCの官報情報が消えるまでの期間で、【異動】の記載があるケースで記した事前準備を進めていくことが重要です。

 

順番は同じ。

携帯電話の割賦払い・支払い、クレジットカードの契約・支払いです。

これでクレジットヒストリーを育てます。

この際、申込むクレジットカード会社には注意が必要です。

「過去に事故を起こした会社以外」という注意書きをしましたが、今回のケースではこれに加えて「審査の際にKSCを参照しない」という項目が加わります。

クレジットカード会社の「個人情報の取扱いについて」などを熟読すれば、参照する機関が示されているはず。

これを参考に、ネガティブ情報に触れないカード会社を選びます。

最終的にKSCから官報情報が消えるまでに、ご自身のクレジットヒストリーを育てておくことです。

 

実際にこの方法で、何人もの方が住宅ローンの承認を得られました。

物件価格だけでなく諸費用も含めた完全な丸借りで承認されたケースもありました。

ですがもちろん、これで完璧という訳ではありません。

先ほど「官報情報は永久に残る」旨をお伝えした通り、それを確認しようと思えば過去の破産の事実を掴むことは容易です。

 

そういったマイナス要因を払拭する材料といえば、自己資金をおいて他にないです。

 

住宅ローンにマイカーローンにしろ、審査の基準は貸したカネがちゃんと返ってくるかどうか。

「官報に破産情報が載っていたらお金を貸してはいけない」とか、「異動情報が残っていたらお金を貸してはいけない」とか、そんな決まりがあるわけではないです。

自己資金を用意するということは、「この人は過去に自己破産をしたけれど今は真面目にお金を貯めているから貸してやろう」といった人情話ではなく(それもあるかもしれませんが)、自己資金があれば「仮に返済が滞ったとしても、担保となっている土地・建物を差し押さえてしまえば回収できる」と判断することができる。

そうすれば融資承認の可能性は上がります。

さらに言えば、異動情報が記載されたままの状態でも審査に通過する可能性だって生じてくる。

年収や勤め先で飛躍的にポイントを稼ぐことは困難ですが、自己資金を貯めて住宅ローンで調達する割合を下げることは、大きなポイント稼ぎになり得ます。

 

どれだけの自己資金を用意すればいい、という明確な基準はありませんが、強いて挙げれば物件価格の

「諸費用分の10%に加えて物件価格の20%を頭金として入れる」

これが一つの目安になるでしょう。

 

逆に物件価格に加えて諸費用までを借りるケースでは、審査のハードルは上がります。

担保となっている土地・建物以上にお金を貸して焦げ付いたら、土地・建物を差し押さえて売却しても貸したカネが返ってこないことは明白ですからね。

 

「審査に不安がある」

特に過去に自己破産のような大きな金融トラブルを経験したのであれば、しっかりと時間をかけて下準備を進める同時に、大きな武器となる自己資金を貯めることを心がけてください。

 

金利が低い上、住宅ローン減税を始めとした持ち家支援策が充実している今。

住宅購入のために無理をしてまで自己資金を投じることのメリットは多くない、というより「ほとんどない」のが実情です。

うまくいけば金利以上の税金が戻ってくる上、タダで保険(団体信用生命保険)に加入できる、なんて状態になるわけですからね。

 

でも、「審査の通過に不安がある」という状態であるとしたら、自己資金という武器の効果は絶大。

「所要資金の総額のうち自己資金で賄う金額が多ければ多いほど、審査通過の可能性は高くなる」

このことを念頭において、審査に向かいましょう。